米国と台湾の関係性をニュースから読み解く

7月17日の米紙ウォールストリート・ジャーナルの中国電子版では、6月下旬からハワイ沖で米海軍の主導で実施された「環太平洋合同軍事演習(リムパック2014)」に関し、米下院のランディ・フォーブス議員が台湾も今後この軍事演習に招くべきだと主張していると論じています。

この軍事演習には日本や韓国など22か国が参加しており、今回初めて中国大陸の人民解放軍が参加しました。フォーブス氏は、米国は台湾を支持・支援すべきとしながら、台湾が合同軍事演習に参加するのは、中国と近隣諸国の緊張関係が深刻になった際になるだろうとの政治的見解も示しています。

第二次世界大戦以降、米国はアジア太平洋地域を軍事的に主導してきましたが、台頭してくる中国との軍事的緊張をときほぐすためには、やはり中国に対して近隣諸国と協力的な関係を築くように対話を続けていくことが大切だと思います。

台湾ADLINK TECHNOLOGY社、ドイツPenta社買収の思惑は

台湾産業界からは6月、産業用組込みボードの生産を行っている大手企業ADLINK TECHNOLOGY社がドイツのPenta社を買収することを発表しました。ドイツPenta社は医療への組み込みシステムを得意としている企業であるため、今後ADLIKN TECHNOLOGYが医療分野へ進出するための足がかりになるだろうと期待されています。

この買収には540万ユーロが投じられる予定です。突然決まった買収というわけではなく、ADLINKは以前より医療分野への進出を目標として掲げていましたので、それを達成するための布石を打ったものです。

現在、ADLINKの得意としているボードの顧客需要レベルが向上していることもあり、より高度なボード作成や組み込みを可能とするためにノウハウを持った会社の取り込みが重要になると注目されています。医療分野のように特殊な分野に対して取り込むためには、その分野について高い知識を持っている必要があり、そこで注目されたのがPenta社ということでした。

これにより、台湾から世界規模の企業がさらに増えていくことが期待されています。ADLINK社は今後もより発展していくのではないかと思います。

台湾の電力事情と産業界への影響、動向

ここにきて台湾の政治・産業界を賑わせているニュースといえば原発問題。日本でも連日のような原発の再稼動について、あるいは脱原発についての議論が行われていますが、台湾でも大きな問題となっています。4月終わりには台湾の第4原発建設の凍結が決まりました。

これは地元住民や脱原発を掲げる住民たちの激しい反発が原因です。これまで原発反対の大規模なデモなど活発な反対運動が行われており、それが結果的に計画を覆す形となりました。ここのところ反対派が台北駅の道路を占拠したり、警察がそれを排除するなど緊張した状態が続いていましたが、ついに結論が出た印象です。日本ではつい先日裁判で大飯原発の再稼動を認めない判決が下されましたが、今後原発問題はどのように進展していくのか、国内だけの問題ではなくなりつつあるようです。

産業界に目を向けると5月23日には台湾株が高値を記録、終値は9008.22で3年ぶりの高値を記録しました。とくに電子・金融関連の株が好調で、光学部品メーカー大手の大立光電が過去最高額を記録するなど、軒並み上昇を見せています。この電子関連は台湾経済の柱ともいえる分野だけに、好調ぶりは台湾経済そのものの好調ぶりをうかがわせます。

日本へ観光に訪れる台湾人観光客が急増しており、観光立国を目指す日本にとっては大切な「お客さん」となっています。それだけにこの国の経済・社会両方の動向は気になるところで、日ごろからチェックしていく価値があるのではないでしょうか。中国との関係も気になるところです。